「○○○の枠組みを超えて」
花火や夏祭りに限らず、テーマパークや飲食店等、浴衣を着用するだけで特典やお得なキャンペーンを催す企業が多く、
此処、夏の京都市内においては、浴衣を見ない日はないくらい着用者が増えた。
それには浴衣特有の「着やすさ」や、「ファッション性」に、一種のコスプレに近い変身欲求を満たしてくれる特異性も加味されたからだろう。
本来の、寝巻や湯上り時、ちょっとそこまで・・・に着る服の枠を大きく超えて一つのカテゴリーにまで昇華しはじめている現状だ。
着物に対して、簡易で安価な生地を使っていた昔とは違い、化繊を混紡した浴衣やカジュアルに着用する事ができる浴衣も格段に増えた。10代や20代の若い世代に受けたことも要素の一つだろう。
もちろん。浴衣に対するハードルが下がり、もっとたくさんの人に浴衣の良さを知ってもらえる事は喜ばしい事で浴衣人口が拡大していく事でファッション性はもとより、
生活環境も見直すきっかけになるのではないかと思う。
一方でお祭り感や、旅館での・・・さらにはコスプレ感が拭えないのは、ビジュアル面に特価した提案が大半で、元来の良さを知る術が少なかったのでは。。
安価で簡易に着用できる事はもちろんだが、特に夏場においては肌触りが良く通気性に優れ自宅で手軽に洗濯ができるという、凡庸性を持つ。汗をかくと洋服が体にまとわり付いて気持ち悪い。
なんて夏場特有のストレスを感じにくいのだ。
当店の六花ブランドでは、しじら織りを採用しており、さらに肌へ直接当たる面積を少なくする事で清涼感をプラス。また平織の浴衣にありがちな、「突っ張る感じ」も縦横の張力を異にする事で
しなやかな生地感を生み、ストレスなく着用して頂けるはずだ。
着用者が増えて着用へのハードルが下がりつつある今。浴衣本来の使い勝手や着用感の良さをしっかりと伝えていく事で、夏祭りや花火などの行事感やコスプレ感だけでないカテゴリーに到達出来る。
と確信している。
日本情緒の雰囲気を味わえて、かつ、着用感もストレスフリー。それでいて着付けも簡単な浴衣が民族衣装としての枠組みを超える瞬間は、もうそこまで来ているのかも知れない。